財布の素材 – こだわりを魅せる財布の選び方

財布の素材

あなたは今、自分の使っている財布が何の素材で作られているかをしっているでしょうか。有名ブランドの本革、とりあえず使い続けている合皮、ダサいと言われようが使い易さを考慮したナイロン財布。財布の素材には様々なものがありますが、あなたは自分の使用している財布の素材を答えられるでしょうか。

特に本革財布で言うと牛革や馬革、羊革等が非常に人気ですが、ワニやゾウといったエキゾチックレザーとも言われる皮革もニーズのある素材となっています。さらにはその革の鞣し方、加工方法等も細分化すると財布の素材には非常に数多くのものがあります。

財布の素材について

財布を選ぶ際の一つのポイントとして挙げられる「素材」ですが、大きく分けると財布の素材には以下のような種類があります。

  • レザー、革
  • ナイロン

財布の素材選びとして考えることは「耐久性」と「質感」です。本サイトは皮革製品を多く取り上げていますので、以下では素材としての革の良さや良いとトコロをご紹介していますが、用途次第では他の素材にも軍配があがります。

例えば布財布は非常に趣があって革財布が普及している現代では布財布の雰囲気が際立ち、可愛らしいデザインも豊富にあるため、わたしは現に3才の子供に持たせているのは布財布です。更にレザー製品が苦手とする防水性に関してナイロン財布の右に出る素材はありません。レジャーや旅行等に最低な財布にはナイロン財布を強くおすすめいたします。

エイジング(経年変化)を楽しむ革

皮を革にする工程のことを「鞣す」と言いますが、その方法により革には大きく分けて2種類があります。

  • タンニンなめし
  • クロムなめし

この方法以外にもコンビ鞣し等がありますが、「使用していくほど革の表情が変化していく」革のほとんどが「タンニンなめし」で作られた革です。この変化する様(経年変化)を楽しむことがレザーアイテムの醍醐味と考える方におすすめする素材をご紹介いたします。

ヌメ革

ヌメ革

ヌメ革とは「革の中の革」と呼ばれる革で、革表面に特別な加工をしていない革のことを指します。自然の風合いを一番に感じられる革のため、牛が生きていた時の傷やシワをそのまま味わいとすることもできます。また特別な加工をしていないため経年変化も顕著のため革好きの方には絶大な人気を誇ることもあります。

ミネルバボックス、ミネルバリスシオ

ミネルバボックス

イタリアの老舗タンナーである「バダラッシカルロ」社がバケッタ製法と呼ばれる長い歴史を持つ技法で作った銘革です。日本でも数多くのブランドや作家さんがこれらのバケッタレザーを使用した財布を作っています。経年変化が美しく他のタンニン鞣しの革よりも発色が良く非常に高品質の皮革のため世界が認めている皮革です。

ブッテーロ

ブッテーロはイタリアのタンナー「ワルピエ社」が作る皮革。ステアと呼ばれる成牛の革なので非常にハリ、コシがあり、ミネルバ同様に顕著に経年変化する美しい皮革です。また特筆すべきはその発色の良さでイタリアの染色技術を用いており非常に美しい色合いが一番の特徴を言えます。国内でも人気の皮革でブランド及び作家さんが多く使用しています。

ブライドルレザー

ブライドルレザー

ブライドルレザーはイギリスで生まれた皮革で「馬具」として使われていた歴史があります。耐水性のない革を改善するべく蝋引き加工した革のことをブライドルレザーと呼ぶようになりました。そのためイギリスブランドでは非常にスタンダードな皮革として使用されており、堅牢で比較的に耐水性の優れた面を持ちます。ブライドルレザーを作るタンナーは数社あり、等級もあるためそれぞれのブランドのブライドルレザーを見る必要があります。

コードバン

コードバン

「革のダイヤモンド」と称されるコードバンは、馬のお尻(臀部)部分の皮革で、馬一頭につき少ししか採取できず、年々希少価値が上がっている貴重な皮革です。経年変化によりツヤが増ししっとりとした革表面が見る人を魅了するまさに宝石のような皮革です。

しなやかで美しい革

タンニンなめしの他にはクロム鞣しの皮革をご紹介させていただきます。クロム鞣しの皮革をわたしが一言で表すと「しなやか美しい革」です。クロム鞣しの革の特徴として挙げられるのは以下の通り。

  • 発色が良い
  • しなやかで軽い
  • 経年変化が控えめ

この特徴以外にもタンニンなめしの革よりも防水性に優れている等がありますが、これには加工方法にもいろいろありますので一概には言うことはできません。ここではクロム鞣しの比較といえばという世界が認める素材を見ていきましょう。

ボックスカーフ

ボックスカーフは、生後6ヶ月以内の仔牛の皮をクロム鞣しした総称です。革表面はしっとりと肌触りがよく見るだけでその上品さが伝わる品質の高い革です。水シボと言われるシワ模様が表面にあり、しなやかで美しい革と表現できるでしょう。

クリスペルカーフ

クリスペルカーフ

現在の最高級のボックスカーフとして名高いクリスペルカーフは、ドイツのペリンガー社というタンナーが作っている皮革。世界のブランドが高く評価するペリンガー社は数多くの銘革を輩出しており、その中でも最高峰に位置づけるのがクリスペルカーフ。まるで濡れているかのような革表面の美しさは一目見ただけで他の革とは異なることを実感できるはずです。

傷を付けたくない丈夫な革

皮革とは本来傷が付きやすい素材ですが、仕上げ方法や加工方法により傷に強い、傷が付きづらい素材も数多くあります。

型押し

型押し

傷に強い加工方法として最も有効なのは「型押し」です。革を型によって強くプレスすることにより革が圧縮し堅牢な革になります。また型が付いているため多少の傷や汚れは見えづらく各ブランドでも必ずと言っていいほど用意されているのが型押ししたレザーです。

シュリンクレザー

シュリンクレザー

型押しした皮革と似ている皮革にシュリンクレザーがあります。革表面に「シボ」がある皮革のことで、特殊な薬剤によって革を収縮させてシボが作った革です。革が収縮することにより密度が高まり傷に強いという特徴を持つシュリンクレザーには、収縮剤を使用しない空打ちと言われる技法や揉み革のようにシワのある革には多くの種類があります。

エキゾチックレザー

革財布の大半が牛革を使用している革ですが、それ以外にも各ブランドでは多くの種類の動物の革を使用して財布を作っています。主に牛・馬・豚以外の革のことをエキゾチックレザーと総称します。エキゾチックレザーの人気どころを見ていきましょう。

リザード

大きい鱗のクロコダイルとは反対に小さな規則的な美しい鱗が特徴のリザード革はトカゲの皮革です。エキゾチックレザーの中ではクロコダイルに次いでの人気を誇りクロコよりも控えめですが、それと同等の高級感と圧倒的な存在感を放っています。

クロコダイル

エキゾチックレザーといえばの代表格であるクロコダイルレザーは、最高級皮革と言ってもいいほどの希少価値が高い皮革です。大きい鱗と規則的な革は他の皮革を寄せ付けない存在感があります。牛革に型押した皮革やカイマン等の類似品には注意する必要があります。また鰐の種類やマット仕上げ、グレージング仕上げなど加工方法にもいろいろあります。

革以外の素材

これまでは動物の皮を鞣した「革」を使用した素材を列記してきましたが、革には非常に優れた耐久性がありますが、水に弱いという耐水性と比較的重いという重量の弱点があります。また本革財布は高価なため傷や汚れを付けいないようにという配慮が必要で、屋外で作業をする方やアウトドアシーンには不向きという面もあります。

これらの本革財布の弱点をカバーする革以外の素材にはどのようなものがあるのかというとナイロン製財布(ビニール製財布)布財布です。

アウトドアに特化したナイロン財布

本革という素材の弱点である水に弱い、重いという弱点を見事にカバーしている素材にナイロン財布があります。イメージ的に「ビリビリ財布」といったマジックテープを使用した良くない印象を持つ方もいらっしゃいますが、ナイロン製財布は耐水性・防汚性・軽量性に優れた財布です。

ナイロン財布
出典:amazon.co.jp

更にはザ・ノース・フェイスやモンベル等と言ったアウトドアブランドのナイロン財布はどのようなアクティブなシーンにも対応できる汎用性と機能性を誇っています。またバリバリ財布と言われるようなマジッテープ以外にもボタンで開閉するタイプも多くなっています。